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広報業務の3タイプ
広報の業務は、大まかに「企業広報」「防御的広報」「マーケティング広報」の3種類が存在します。
│|「企業広報」と「防衛的広報」

「企業広報」は、自社が行っている活動や商取引のデータを公に発表していくことで、会社のホームページに掲載したり、アニュアルレポートという、経営成績や財務状況の報告書を作成して配布したりします。
会社の将来性や従業員の能力などについて、対外的に十分納得・満足してもらうことが主な目的です。
「防衛的広報」は、いわゆる『危機管理』のことで、何か問題があった時に対応する広報のことです。
近年では雪印乳業の社長が、食中毒事件で報道陣に囲まれたときに、「私は寝てないんだ」と発言し、記者に「私だって寝てないんだ」と切り返されて、逆に市民の反感を買った例もあります。
三菱自動車も対応の悪さが会社に大きなダメージを与えました。
各社の意識は年々高まっていて、何かがあったときにどう対応するか、マニュアルを作っておくことは企業にとって不可欠になっています。
│|能動的広報

「企業広報」と「防衛的広報」が受動的な広報であるのに対し、「マーケティング広報」は企業から世間にアピールしていく能動的な広報です。
「PR・広報」というときには、基本的にマーケティング広報のことを指します。
そして日本の企業は従来、ここにあまり力を入れてこなかったのです。
一方で広告の力も限界に近づいているといわれています。
かつて、最も宣伝能力が高いのはテレビCMといわれていましたが、現在はCMカット機能が付けられ、テレビCMはどんどん効果が下がっているといわれています。
雑誌も性別や年齢層で細分化が進んでいて、どこか一つに広告を出しても日本全国に広く知らせることはできません。
そんな状況下では、広告とは別にPR・広報をいかに使いこなすかが、次の時代の効果的なプロモーション手法のカギと思われています。
新商品を上手にしかけたり、社長や企業のキーパーソンが広くメディアに出演したりして、良好なイメージを世間に与えることこそが最大のアピールになるのです。
「待ち」の広報より「攻め」の広報です。
これが、現代で勝利を収める企業のキーワードとなっています。
│|広報業務まとめ
●企業広報(受動的な広報)
・日常の企業活動を正確にメディアへ伝える広報
・広報の基本業務であり、IRもこの広報の一種といえる
・具体的には経営理念、売上・利益の業績、商品情報、役員の異動及び昇進、企業の基本となる活動及び状況を発信する
・通常はアニュアルレポート、ファクトブック、財務報告書、会社案内、商品資料などの報道用資料を通してメディアへ伝える
●防御的広報(受動的広報)
・不測の事態に備え対策を練り、またそのときの対応を実施する広報
・リスクヘッジ広報ともいわれる
・企業活動をしている限り、予測できない危機的事態が起こる可能性がある。その不測の事態が発生してから対応しているのでは遅い。そこで事態が発生したときを想定しマスコミへの対応をあらかじめ準備・トレーニングする
・近年「雪印事件」や「三菱自動車」などでマスコミに対する不適切な対応により危機に陥ったことから注目される広報である
●マーケティング広報(能動的な広報)
・「PR・広報」の手法を巧みに用いて、商品、サービスの売上・利益の増加、及び企業のイメージアップを狙いとする広報
・アメリカでは少額のマーケティング費用で、効果の高い広報主体のプロモーションを実施し、成功している企業が多く現れている
・近年、日本でも上手に活用し躍進している企業が現れている
・広報効果が従来より期待できないといわれていることから注目されている
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